雪国の人の雪道の歩き方にマツダのi-Active AWDは迫れるか

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人の雪道ですべらないための対策
18日は東京でも積雪があり、改めて都会人は雪に不慣れだなと感じます。電車は運休し、道路ではスリップが多発、スタッドレスタイヤの未装着の車が路上立ち往生で大渋滞発生と、経験と備えがないために大混乱ですね。都会は過密ダイヤや車の絶対数の多さ、インフラ事情の違いなどなど仕方のない場合もありますが、雪国の人からしたら驚かれるのではないでしょうか。除雪も最小限だし、翌朝の方が歩きにくかったり。

転倒や事故がトップニュースで報じられますが、北海道ではどうなんでしょうね。怪我や事故は大きなニュースとなるでしょうが発生件数が少なかったりするんでしょうか。

ロケットニュースというサイトで『【保存版】北海道民が教える「雪道の歩き方」5カ条』という記事があったのですが、北海道民が雪に備えて注意することを挙げています。

①.溝の深い柔らかいゴム底の靴

②.ペンギン歩き

③.橋の上やマンホール、歩道橋の白い部分に注意

④.携帯できる防寒着やカイロ

私はこれに2つ加えるといいと思います。

⑤.歩く場所を見極める、きれいな路面でもブラックアイスバーンといって凍っている、雪の上の方が滑らない

⑥.やばそうな個所では踏み込む前に足で探って滑るか確認する

①②③は滑るのはなぜかを考えればよくわかります。そもそも滑るのは簡単に言えば氷が解けて水となり、靴底と氷の間の水の膜が摩擦を失わせるのでツルッといってしまいます。したがって、溝の深い柔らかいゴム底靴が解けてできた水を溝に逃がし地面に接触できない状態を緩和し、ペンギン歩きによって踏み込む力をできるだけ垂直方向にすることで分解される後方への力を少なくします。マンホールや横断歩道の舗装は靴底の説明と同じで、そのそのスムースな面に対して水の膜ができればより滑りやすくなります。

①②③が物理的な対処だとすれば⑤⑥は頭脳的な対処といえます。経験から滑りそうな箇所を判断し、滑るのであればより注意するか回避する。

以上を車に置き換えて考える

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以前の記事での紹介しましたが(『スバルとマツダのAWDはどっちがすごい?』)マツダのi-Activ AWDは搭載された様々なセンサーから『滑りそう』を検知して適切なトルクを4輪に配分するというシステムを開発しています。

様々なセンサーは次のようなもののようです。

[ドライバーの意図]
アクセルペダル位置(発進、加速意図)
ステアリング角度(旋回意図)
ブレーキ液圧(制動意図)
[路面状況]
前後ワイパー(降雨、降雪)
外気温度(路面付近の温度)
ステアリングトルク・パワステモーター電流(ステアリング操作時の路面摩擦反力)
前後加速度(登坂路面勾配)
[走行状況]
4輪車速度(4車輪のスリップ量やその予兆)
エンジン駆動力(前輪駆動力)
4WDカップリング指令トルク(後輪駆動力) など

スバルのAWDが水平対向エンジンという重量バランスの良さを十二分に生かした設計とすれば、マツダは人が歩行する際に採る滑らないための経験を車で実現しようという設計ですね。

『①.溝の深い柔らかいゴム底の靴』はスタッドレスタイヤで、『②.ペンギン歩き』はトルク配分のコントロール、『③.橋の上やマンホール、歩道橋の白い部分に注意』は路面状況の判断、『⑤.歩く場所を見極める、きれいな路面でもブラックアイスバーンといって凍っている、雪の上の方が滑らない』『⑥.やばそうな個所では踏み込む前に足で探って滑るか確認する』は路面状況、走行状況の判定というような感じでしょうか。

今後、路面状況がもう少し車両に伝わればもっと進化していくシステムのような気がします。ETC2.0の普及で可能となるのでしょうか。