スズキの次世代テクノロジー『All Grip』ってどんな技術??
エスクードとSX-4 S-CROSSに搭載される『All Grip』という4WDシステムはどんなシステムなんでしょうか。スバルのX-Modeのようなものなのか、調べてみます。
キーとなるテクノロジーは次の3つのようです。『電子制御4WDシステム』、『4モード走行切り替えシステム』、『車両運動協調制御システム』を最適なタイミングで介入させ様々な路面状況に対応します。
『電子制御4WDシステム』はスズキによるとこうあります。
車両の走行状態をアクセルセンサー・操舵角センサー・車速センサーなど、各種センサーからの情報をもとにトータルに監視。挙動変化を予測し、車両が不安定になる前に対処するフィードフォワード制御を行うことで優れた走行性能を実現しています。
車速、操舵角、アクセル以外のセンサーは不明ですが読み取った情報を総合的に解析して、路面や車の状況を予測/判断して、2駆/4駆、前後のトルク配分、ブレーキ制御などを自動的に行うようです。マツダの-Activ AWDのようなコンセプトに近そうです(関連記事1、関連記事2)。
『4モード走行切り替えシステム』
さまざまな走行状況で最大限の走行安定性を引き出せるよう「AUTO」「SPORT」「SNOW」「LOCK」の4つのドライビングモードを設定。ドライバーの意志で自由に選べます。
4つのモードですが、『AUTO』モードにしておけば普段は2WDで走ることができるので燃費も18km/LというガソリンエンジンのSUVとしては高燃費、cx-3とほぼ同じです。
『SPORT』モードはアクセルの反応性を向上させ加速感を演出し、ステアリング角度からコーナーリングの旋回性を保つために後輪へ積極的にトルクを配分するようです。
『SNOW』モードはグリップ重視のトルク配分を行い、『LOCK』モードはさらに空転したタイヤにブレーキ制御を行い、空転していないタイヤへ重点的にトルク配分を行うモードのようです。スズキのサイトにわかりやすいflashムービーがあるので紹介しておきます(こちらのサイトをどうぞ)。
『車両運動協調制御システム』
ブレーキ、ステアリング、トルク配分を制御するシステムで、コーナーリング時のアンダー、オーバーステアやスリップしたときに車体の制御を行います。ステアリングは例えば切りすぎの状態でこのままではスリップするような時に、ステアリングを切りにくいように抵抗を与えてドライバーの過剰なステアリング操作を防止するようです。
4WD制御と電動パワーステアリングを協調制御。前後輪への最適なトルク配分とハンドル操舵トルクアシストにより、コーナリング中のアンダーステア傾向やオーバーステア傾向(車両横滑り傾向)を抑制して運転操作をアシストします。それでもスリップや横滑りが発生した場合にはESP(R)が作動して走行安定性を確保します。
ESPはドイツのダイムラー社が開発した技術で、エンジンとブレーキを協調して制御し、車体のコントロールを保つ技術です。
ESP(R)は高度な電子制御によって、コーナーなどで横滑りを抑えるスタビリティコントロール、発進・加速時に駆動輪の空転を抑えるトラクションコントロール、急ブレーキ時にタイヤのロックを抑えるABSを総合的に制御する車両走行安定補助システムです。さまざまなセンサーによって走りを監視し、必要に応じてコンピューターがエンジンとブレーキを制御することで車両の安定走行に貢献します。
4WDは安全だけれども燃費が悪いという悪いイメージがありますが、電子制御の有効利用で2WDと同等の燃費が出せるようになりつつありますね。生活4WDとでもいうのでしょうか、極端な道路へ行くことなどあまりない一般ドライバーには最適なシステムだと思います。