台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と同社の傘下に入ることを決めていたシャープが、
出資額を当初予定よりも1千億円減額し3890億円とする方針を固めたことが25日、
分かった。両社は30日にそれぞれ臨時取締役会を開いて機関決定を行い、31日に
契約書に調印する。シャープの財務リスクで延期されていた契約締結は、1カ月あまりの
曲折を経て実現する見通しとなった。
鴻海は、シャープの財務が将来的に傷む可能性を懸念し、出資額の引き下げを迫っていた。
シャープが鴻海を引受先として実施する第三者割当増資で発行する新株は、当初予定の1株
118円から同80円台に引き下げる。
鴻海は、契約と同時にシャープに預ける1千億円の保証金を予定通り支払う。
また、主力取引銀行のみずほ銀、三菱東京UFJ銀が保有しているシャープの優先株
のうち1千億円分の買い取りにも応じる。
主力2行は、今月末に返済期限を迎えるシャープへの融資5100億円の借り換えに応じ、
3年未満だった融資期間を7年超に長期化し金利も引き下げる。
さらに、3千億円の新たな融資枠を設定し、シャープの資金繰りの安定を図る。
シャープと鴻海は、3千億円規模とされたシャープの潜在的な債務(偶発債務)が発端となり、
契約を延期。鴻海は一時、出資額について最大2千億円減額を求めたほか、保証金の支払いを
拒否する姿勢も示していた。
http://www.sankei.com/west/news/160326/wst1603260020-n1.html