MVNOの維持費は確かに安いんだけれど大手キャリアのようには使えない?

大手キャリアに比べてMVNO業者が提供するサービス料金は確かに安いですね。なぜ安いかと言えばこれらの業者はドコモやソフトバンクやauが独自に保有する通信設備を持たず、大手キャリアの設備を利用させてもらうので設備投資が要らないから
例えば、私が1年間使っていたIIJmioの利用料金はこんな感じです。
image
3つのプランがありますがミニマムとライトの違いはデータ量が3GBまでと5GBまでの違いで、ファミリープランは10GBを最大3人でシェアします。音声通話が必要ないなら-700円となります。

3GBで十分という人であればライトプラン契約を選び、月々1600円の基本料でドコモ回線品質の通信通話が出来ます。ドコモ品質とはいえ、通信通話が常に同等であるわけではなく、家族間または同じキャリア間通話が無料、最近では定額かけ放題が当たり前ですがMVNO業者では無料通話分こそあれ通話料が発生します。このことについては後半で。

image

IIJmioのクーポンシステムはお勧めです

現在選択できるMVNO業者の中ではIIJmioをおすすめしますが、それは通信速度の切り替えができるからです。IIJでは高速通信できる契約に応じた3GBや5GBのデータ量(LTE使用)のことをクーポンと呼んでいますが、高速が必要でないときはクーポン利用を停止してセーブすることができます。低速といってもバーストと呼ぶ機能によって初速だけはLTE品質でつないでくれるため、例えばGoogleのトップページ位なら一瞬で開きます。

従って、MVNO他社では契約データ量がどんどん無くなっていき、やがて使い物にならない速度になってしまうのに対して、IIJmioでは使いたいときのためにLTE回線の高速データ量をとっておくことが可能なのです。
image

私は以前書いた記事で紹介しましたが、ソフトバンクからドコモMNPしました。しかし、本当はソフトバンク契約終了を待ってMVNO業者へ一本化することを検討しており、お試しでIIJmioを使用していたのですが断念しました。
なぜMVNOへの移行を断念したのかといえば、私の使用環境に合わなかったからであり、平たく言えば格安といいながら、月に支払う料金がドコモソフトバンクと比べても500円安いくらいで、品質の割に安さに対してあまりメリットを感じなかったからです。

1年間IIJmioを使用してデータ通信と通話について感じたことについて書いていきます。

データ通信はいざというときに使えなかった

Googleの画像検索でと検索すれば速さを唄うスピードテストの結果画像がたくさん出てくるかと思いますが、私はそれを好感を持って見ることはできません。確かに深夜などにテストをすれば大手キャリア同等の速度が出ますが、仕事中や食事後などの、私がネットを使いたい時間帯には1Mbpsも出ない時があります。ベストエフォートといいますが、最大**Mbpsという表記にあるように回線に十分余裕があるときにはその速度が出ますが、みんなが使い出し込み合ってくると回線に余裕のないMVNO業者ではこのような現象が起こりやすくなります。その代わりに利用料金が安く設定されているのです。

地方へ出張へ行くことが多いのですが、トンネル区間に出くわすと、速度が遅いことに加えて再接続を繰り返すという状況になり調べたいページはまず開きません(地方はトンネル内に電波がないのですね)。気のせいかもしれませんが地方は速度も出にくいような。地方ではユーザー数も少ないのでしょうから回線が脆弱に設定されているのでしょうか?
また、インストールしているアプリによってはバックグラウンドで通信をしているようで、通信が遅滞するとフリーズ状態になり端末が不安定になるようです。初めは端末の故障かと思い修理に出したのですが、Appleのサポートセンターで調査した結果なので原因は明らかです。
MVNOは始まったばかりで今後整備され発展して行くと思いますが、現状では少し物足りないと思います。

通話は無料分ないので掛けただけ料金発生

大手キャリアに限らずIIJmioなどMVNO業者の通話料も20円/30秒、楽天電話などの中継電話サービスを介せば10円/30秒となっています。
IIJmioプランには無料通話が付きません。大手でよくある『**円分の無料通話つき』というサービスです。iijmioでも楽天電話や050plus、LINE電話などの中継電話サービス『みおふぉんダイアル』を提供していて、このアプリから通話した場合10円/30秒と半額で利用できます。中継電話サービスについてはここがわかりやすいですが、簡単に言えば単に専用のアプリから発信するだけです。私も楽天電話を利用していましたが電話番号はそのままで、相手にもしっかり通知されるし、通話の品質に不具合はありませんでした。

みおふぉんダイアルアプリ
カテゴリ: ユーティリティ
現在の価格: 無料
http://techlog.iij.ad.jp/archives/1005

私は電話はしない方だと思っていたのですが、IIJmioを利用し始めた途端その請求金額にビックリしました。家族間の短い通話がメインでも初回請求時に通話料だけで4000円です。100分:1日3分強も話していたんですね。以後、みおふぉんダイアルアプリを知り、利用して半額にしましたが、それでも基本料金と合わせて4000円前後です。これならかけ放題ライト(5分以内が月額1700円でかけ放題)の方がいいです。もちろんたくさん通話する家族はこんなものじゃ済みませんし。
チケットの予約とか変更の電話を利用するとそれだけで10分はかかります。「この電話は品質向上のため〜」とかオペレーターにたどり着くまでの時間が恐ろしい。通話品質の問題はないのですが、料金は問題です。

設備投資の有無、通信品質の差と月額500円の差は釣り合うか?

詳細は以前の記事を見ていただければと思いますが、家庭で携帯電話だけ契約した場合にドコモに支払う一人当たりの月額料金は4500円ほどに出来ます(2年契約が必要ですが)。
MVNOは音声通話付きの場合に限り1年間の契約期間があり、それ以内の解約に関しては大手キャリア同様の違約金が発生します。

大手キャリアは契約時にユーザーに与えた様々なサポート分を、2年間の契約期間内に利用料金から回収するためなのでしょうか、中途解約されると赤字になるのを防ぐために違約金などの予防措置を講じているんでしょう。しかし、回線への設備投資もなく通信品質も抑え気味のMVNO業者が、1年以内の解約に対してと期間が短いとはいえ、同等の違約金をとらざるを得ないのは、業界・企業規模の差ゆえのことでしょうか。

ユーザー満足度を満たす中心を利用料金の安さに置いたMVNOは、大手キャリアと重心は違うけれど満足度を同等に保つために低価格・低品質となっているわけですが、私が使用した限り品質は下げられる限界にあるのかなと思います。もちろん、メールやLINEが使えればいいというようなライトユーザーには十分満足のいく内容であると思います。

しかし、大手キャリアと同とのサービスを提供するには、料金は下げられないということになってしまいます。携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォースが開かれ携帯電話料金にメスを入れるようですが、現行の制度ではすべての利用者の用途に応える品質を低料金で提供することは限界ではないかと感じます。

「電波ビッグバン」で携帯料金は大幅に下がる

格安SIMと格安スマホで携帯電話料金は安くなる

これらの記事では現在使用していない電波帯を開放し、電波をオークションに掛けるような制度改革によって利用料金を下げることが出来ると主張していますが、すでに存在するインフラの開放などを駆使し、利権関係などを解消するなど制度を抜本的に改正するなど根本から改めないことには携帯料金は安くならないでしょう。