マツダのskyactiveエンジンの登場を境に、日本でもディーゼルエンジンを搭載する車種が増えてきたように思う。
メーカー | 車種 | 実燃費 | JC08モード燃費 |
トヨタ | プロボックス/サクシード | 25.78 | 23 |
マツダ | デミオ | 20.82 | 22.8-30 |
マツダ | CX-3 | 17.85 | 21-23.4 |
マツダ | アテンザ | 16.69 | 20-22.4 |
マツダ | アクセラ | 16.31 | 19.6 |
この表はe燃費を参考にさせていただいたものですがほとんどがマツダ車。その中でもプロボックス/サクシードがなんと1位です。営業車が多いからかな、ディーゼルは飛ばせば燃費も良くなるし。ヨーロッパでハイブリッド車が不人気でディーゼルエンジンが普及している事情の一つがこの理由です。ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの熱変換効率は理論上の数値で比較するとディーゼルエンジンの方が3割ほど高く、これがさらに高速走行時のような定負荷状態ではっきりと現れます。したがって、欧州のように平均速度が速い地域では燃費がいい=ディーゼルエンジンとなるのです。
日本はというと、渋滞や信号が多くストップ&ゴーを繰り返す事情から発進時の高負荷によるエネルギーロスが激しいので、発進時はモーターにさせることで燃費を稼ぐというハイブリッド車がもてはやされます。トータルで見ればそうでもないようですが。
石原慎太郎が東京都知事だったころ、都内からディーゼル車を締め出すなんて言っていた時もありましたが、今やディーゼルはクリーンを冠するほどの存在になりました。なぜか。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンにあるようなスパークプラグによる点火方式ではなく、高熱による自然発火によって爆発させます。高熱はピストンの動きで空気を圧縮させると得られ、そこへディーゼルを噴射すると発火、爆発します。このとき、燃料噴射が終わりきる前に発火してしまうと不完全燃焼を起こし、悪名高いNoxやSoxを含む黒煙が出ます。空気と燃料が十分混ざり合ってから発火することが黒煙を出さなくする解決法なのですが、高圧縮設計エンジンでは上死点で混ざり合うまで待つことはできません。なのでピストンが上死点から少し下がった時に噴射する必要があり、これがピストン効率を悪くしてしまう原因でした。
そこでマツダは低圧縮化と燃料噴射最適化の技術開発を行い、燃料と圧縮空気の混合効率の向上によるススの軽減を実現し、さらに、低圧縮の弊害ともいえる低爆発力をでも高圧縮エンジンと同じパワーを得られるようにスムーズにエンジンが回るよう機械系の見直しを行い、skyactiveエンジンを誕生させました。
つまり、ディーゼルエンジン躍進のキーポイントは低圧縮比だったのですね。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンほどの精製された燃料でなくとも使えるので、バイオディーゼルなどの日本が得意とする燃料資源の有効利用と共に発展していくのではと期待しています。