【沖縄】 泡盛復活へ 県の検討委、8つの提言案 若者向けの大型イベントや、泡盛リキュールの開発推進など消費拡大の施策展開

★沖縄の泡盛復活へ 8つの提言案

消費量が減少する泡盛の振興に向け沖縄県の委員会が提言案
経営の透明化や消費者嗜好の多様化への対応など8項目
観光業や製造業も巻き込み消費量拡大の施策を展開する狙い

 沖縄県が立ち上げた泡盛製造業等振興策検討委員会(委員長・下地芳郎琉球大学教授)の
最終委員会が10日、那覇市内であり、「泡盛振興協議会(仮称)」の設置など
重点施策8項目を盛り込む提言案を確認した。
協議会は泡盛業界や観光業、製造業、行政機関など幅広いメンバーで構成し、
継続的に支援策を検証、実行し、泡盛業界の振興を目指す。
最終委員会で出た意見を反映して提言をまとめ、3月中旬までに県へ申し入れる。

 各種業界を巻き込んだ泡盛関連の協議会設置は初めて。
多くの利害関係者を巻き込むことで、泡盛の消費量減少の危機感を共有し、消費拡大の施策を展開する狙いがある。

 県は県酒造組合などと連携し、来年度からの設置を想定。
酒税の軽減措置を受ける各酒造所に対しては経営の透明化を求め、
現状確認や必要な支援の議論のベースにするほか、業界への理解向上につなげる。

 課題とされる(1)多様な消費者ニーズへの対応(2)若者のアルコール離れへの対応
(3)国内外観光客の獲得(4)古酒のブランド化推進(5)ほかの酒類との差別化-への具体策も提言。
若者向けの大型イベントや、泡盛リキュールの開発推進などを盛り込む。
下地委員長は「協議会の設置と、どのように運営されていくかが最大のポイントになる」と強調。
「新たな視点で議論していく。施策の実行性と結果が求められている」と述べた。

沖縄タイムス http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=153548

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★[解説] 泡盛業界改革に外部の視点

 泡盛製造業等振興策検討委員会が提言の重点施策に、幅広いメンバーで組織する泡盛振興協議会(仮称)の設置を盛り込んだ。
10年連続で出荷量減少が続く泡盛業界だけには任せられないとの認識のもと、外部による「てこ入れ」を図り、
酒税軽減措置を受ける業界の「意識改革」を進める狙いがある。今後は、提言の実効性をどう担保するかが鍵になる。

 提言では酒造所の経営透明化の推進にも踏み込んだ。
関係者の一人は「泡盛業界全体の売り上げすら分からない。
軽減措置を受けており、県民への説明責任もある」と指摘するが、強制はできず、対応は業界次第となる。

 出荷量減少は泡盛業界だけの責任ではない。
しかし、一部の酒造所による不祥事や、業界のまとまりのなさ、
前回延長時に示した成長戦略で掲げた目標が達成されていない-などは業界内部の問題だ。

 委員の一人は「業界に危機的な現状と課題をあらためて見てもらうための提言だ。特別なことは言っていない」と強調する。

 泡盛業界は今後、県とともに2017年5月に期限切れを迎える酒税軽減措置の期限延長を目指し、
成長戦略の見直しなどを進めていく。提言は、延長が必要だという「お墨付き」ではなく、業界の本気度を問うている。(政経部・浦崎直己)

沖縄タイムス http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=153549

以上


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